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4.コンプレッサーのパラメータの意味が知りたい!2

waku_compresser.jpg

 

前回に引き続き、コンプレッサーパラメーターについて説明します。

 

前回は、

 

  • Threshold(スレッショルド)
  • Ratio(レシオ)
  • Attack(アタック)

 

について説明しました。

 

 

今回は、残りの4つのパラメーターについて説明します。

 

 

 

comp_param2_explain.jpg

 

 

赤枠の部分4つのパラメーターですね。

 

中でも、アナリシスはちょっと特殊です。

他のコンプレッサーではあまり見かけないと思いますが、

一応説明します。

 

 

Knee(ニー)については、最後に補足的に説明します。

 

 

 

Make-Up(メイクアップ/Gain【ゲイン】)

angel.jpg

 

メイクアップは、出力音量を上げるパラメーターです。

 

コンプレッサーをかけると、

一端スレッショルドより上の音小さくなります。

 

 

小さくなった音全体的に大きくするのがメイクアップです。

 

単位は、スレッショルドと同じdB(デシベル)です。

 

 

実際に波形を見てみましょう。

 

comp_param2_makeup.jpg

 

左側が、元々の波形です。

右側が、左側の音楽にコンプレッサーをかけた後波形です。

 

コンプレッサーをかけるとこのように、音量が小さくなるので、

その分メイクアップ音量を大きくしてあげます。

 

例えば、右側の波形メイクアップ5dBにして大きくしてみましょう。

 

comp_param2_makeup2.jpg

 

かなり大きくなりましたね。

 

こんな感じで、ボーカルの音源の場合なら、

ボーカルの存在感が増します。

 

 

ただし、メイクアップ大きくなり過ぎないように気を付けましょう。

 

comp_param2_makeup3.jpg

 

こんな感じになってしまわないように。

 

 

 

Release(リリース)

compo.jpg

 

リリースは、

 

音量がスレッショルドを下回ったときの、

コンプレッサーかかり終わりを遅くする

 

パラメーターです。

 

 

少し分かりにくいですね。

 

 

を使って説明します。下の図を見てください。

 

comp_param2_release_model.jpg

 

波形に入ってくる黒い横線スレッショルドです。

 

コンプレッサーは、①の部分かかり始めます。

 

 

そして、②の時音量がスレッショルド以下になるので、

コンプレッサーかけ終わっていい?

というタイミングになります。

 

 

そこで、リリースを使って、

このくらいの時間はまだコンプレッサーをかけ続けて!

とお願いするわけです。

 

 

リリース設定した分だけ、

コンプレッサーがかかり続けることになります。

 

 

ちなみに、リリース単位ms(ミリセカンド)です。

 

 

では、リリースはどのように使うのでしょうか?

 

 

 

リリースの決め方

cuttingmat.jpg

 

リリースは、細かくいじっても、あまり劇的な変化はありません。

 

なので、割と自然に聞こえるあたりを選んでおけば、基本的には問題ありません。

 

 

Autoのスイッチを使っても良いでしょう。

 

(ちなみにAutoは、自動でリリースを決めるということです)

 

 

しかし、リリース短くし過ぎたり、長くし過ぎると変な音になってしまいます。

 

この音を具体的に説明するのは難しいので、実際に音源を聴いてみましょう。

 

 

ep_57_61_release10.wav

 

こちらは、リリースを10msに設定したキーボード音源です。

 

 

リリースが短すぎると、音の印象フワフワした感じになります。

 

奥に引っ込んだり前に出てきたりという感じになっていますね。

 

 

ep_57_61_release1000.wav

 

こちらは、リリースを1000msに設定した音源です。

先ほどの音源と比べると、音が平べったくなっているのが分かります。

 

 

リリースが長すぎると、ずっとコンプレッサーかかり続けてしまいます。

 

 

最初は、不自然な感じにならない程度のリリースを設定しましょう。

 

 

 

Hold(ホールド)

stop.jpg

 

ホールドは、コンプレッサーのかかり始めに、

今からこれだけコンプレッサーをかけ続ける

ということを決めるパラメーターです。

 

 

あまり他のコンプレッサーでは見かけないかもしれません。

 

 

このパラメーターはリリース機能的には似ています。

 

 

下の図を見てください。

 

comp_param2_hold_model.jpg

 

リリースの時に使った図に似ていますね。

リリースは、かかり終わりを遅らせるパラメーターでした。

 

 

対して、ホールドは、のコンプレッサーのかかり始めの時に、

 

この時間だけコンプレッサーをかけ続けるように!

 

と指定するパラメーターです。

 

ちなみにこちらの単位ms(ミリセカンド)です。

 

 

 

ホールドの決め方

cuttingmat2.jpg

 

最初、ホールド0ms固定で、リリースの設定を変えるようにした方が良いと思います。

 

もし、ホールドを使う場合は、リリースとの組み合わせに気を付けましょう。

 

 

リリースを短か目設定しても、波形によっては、ホールド指定した分だけかかり続けてしまいます。

 

逆に、ホールド最低(0ms)にしていても、リリースの設定が正しければ大丈夫です。

 

しかし、ホールドも長すぎれば、変な音になってしまうので気を付けましょう。

 

こちらも音源を載せておきます。

 

 

ep_57_61_hold0.wav

 

こちらはホールド0msに設定したキーボード音源です。

リリースは783msです。

 

あまりフワフワした印象がないのは、リリースを設定してあるからですね。

 

 

ep_57_61_hold5000.wav

 

こちらは、ホールド5000msに設定した音源です。

 

聴いてみて分かると思いますが、極端にのっぺりしています。

 

 

ホールドも長く設定し過ぎると、平坦になってしまうので、注意しましょう。

 

 

 

Analysis(アナリシス)

comp_param2_analysis.jpg

 

アナリシスのパラメーターはちょっと特殊です。

他のコンプレッサーにはほとんどないと思います。

 

 

アナリシスを説明する前に、こちらの2つを説明します。

 

  • Peak(ピーク) : 波形のデータのまま音量
  • RMS : 波形を流した時に実際に聞こえる音音量

 

実際には、実測値とかなんとか、難しい計算をするみたいですが、

理解はこの形で良いと思います。

 

 

では戻って、アナリシスを説明します。

 

 

アナリシスは、

 

コンプレッサー

Peak(ピーク)基づいてかける

RMS基づいてかける

 

を決めるパラメーターです。

 

 

言い換えると、

 

コンプレッサー

波形のデータの音量に基づいてかけるか

実際に聞こえている音量に基づいてかけるか

 

ということになります。

 

アナリシス0近ければ近いほど、Peak(波形のデータ音量)に基づきます。

 

アナリシス100近ければ近いほど、RMS(実際に聞こえる音量)に基づきます。

 

 

とはいえ、これはどちらでも正直、さほど変わらないでしょう。

 

 

歌ってみたカラオケMIXであれば、アナリシス0か100かのどちらか統一しておけば良いと思います。

 

こちらも実際に音源で比較してみましょう。

 

 

ep_57_61_analysispeak.wav

ep_57_61_analysisrms.wav

 

 

上の方が、アナリシスを0に設定した、

Peakに基づいてコンプレッサーをかけたものです。

 

下の方が、アナリシスを100に設定した、

RMSに基づいてコンプレッサーをかけたものです。

 

 

ほとんど違い感じないのではないでしょうか。

 

 

 

Soft Knee(ソフトニー)

comp_param2_knee.jpg

 

最後に補足としてソフトニーを説明します。

ソフトニーはここではパラメーターではなく、スイッチです。

 

 

上の画面赤枠の部分にスイッチがあります。

 

 

ソフトニーオンにすると、

コンプレッサーのかかり方柔らかくなります。

 

comp_param2_softknee.jpg

 

ソフトニーのスイッチをオフにした状態が左側です。

 

音量スレッショルドに届いた時に、すぐにコンプレッサーがかかります。

 

ソフトニーのスイッチをオンにすると、右側のようになります。

 

音量スレッショルドに届く前から、緩やかにコンプレッサーがかかります。

 

歌ってみたカラオケMIXで、ボーカルを扱う場合は、ソフトニーオンにしておきましょう。

 

指定したスレッショルドよりも、

ちょっと早くコンプレッサーがかかり始めますが、

かかり柔らかくなり、ボーカル自然な感じにかかります。

 

 

 

まとめ

note.jpg

 

Make-Up(メイクアップ)は、

 

コンプレッサーで一度小さくなった音を調整するために、

出力音量を上げる

 

パラメーターです。

 

 

Release(リリース)は、

 

音量がスレッショルドを下回ったときの、

コンプレッサーのかかり終わりを遅くする

 

パラメーターです。

 

 

Hold(ホールド)は、

 

コンプレッサーのかかり始めに、

今からこれだけコンプレッサーをかけ続けると指定する

 

パラメーターです。

 

 

Analysis(アナリシス)は、

 

コンプレッサーを、波形のデータ音量に基づいて(Peak)かけるか

実際に聞こえる音量に基づいて(RMS)かけるかを指定する

 

パラメーターです。

 

 

SoftKnee(ソフトニー)は、

 

コンプレッサーのかかりを、柔らかくする

 

スイッチです。

 

 

前回も書きましたが、色々なパラメーターをいじるコンプレッサーですが、

できるだけシンプルに使いましょう。

 

 

が分からなくなって、あまりごちゃごちゃ設定をいじると、

余計分からなくなってしまいます。

 

 

シンプルな設定で良い音を作る!

 

というのがMIXの大事な所です。

 

 

では、今回はここまでです。お疲れさまでした。

次回は、イコライジングについて少し説明したいと思います。

 

 

>次回 イコライジングのかんたんレシピ

 

 

 

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MIX   2013/12/02   WebMaster
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